遺言書の作成|遺産相続|福岡の司法書士事務所

遺言書の作成Making a will

皆様の相続や遺言に関する悩みに真摯に対応し、円滑な相続手続きの代理や相続に必要な書類の作成等を行っております。 是非お気軽にご相談下さい。

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遺言書とは?

「遺言書」とは、自分の死後に財産をどのように処分するのか、遺言書の指示を誰に実行してほしいか、誰に未成年の子どもの世話をしてほしいかなどを明記した、法的な書類のことです。

このような場合は遺言書の作成をおすすめします

  • 子供がいない
  • 長男の嫁が看病、面倒をみてくれている
  • 長年連れ添った伴侶がいるが、入籍していない
  • 相続人以外に財産を残したいとき
  • 先妻との間に子供がいるとき
  • 認知していない子に財産を残したいとき
  • 行方不明、疎遠な相続人がいる場合
  • 財産のほとんどが自宅不動産の場合

遺言書の種類

自筆証書遺言

遺言者が、紙に遺言内容・日付・氏名のすべてを自筆で書き、それに押印して作成する遺言書です(パソコンなどでの作成は無効)。
公的な確認作業を経る必要がないため、書き間違えや遺言内容が曖昧で遺言書として無効になってしまうことも多く注意が必要です。
遺言者が亡くなられた後、遺言書を発見した人が家庭裁判所に届け出て、検認の手続きを受ける必要がありました。
しかし、2020年7月から新たに導入された、法務局で保管する制度を利用することで、家庭裁判所での検認の手続きを省略することが出来るようになりました。

公正証書遺言

証人2人以上の立会いのもと、公証人(公証人役場で契約書などを公証する人)が、遺言者の意思を文章にまとめて作成する遺言書です。
公証人という専門の人が法律の規定どおりに公正証書として書類を作成するため、形式面でミスが生じて遺言書が無効になる心配は基本的にありません。
確実に有効な遺言書を残したいときには、利用をおすすめいたします。
また、作成した遺言書の原本は公証役場に保管されるため、偽造や紛失の心配がありませんし、遺言者が亡くなった後に検認を行う必要もありません。

秘密証書遺言

遺言者が、遺言の内容を記載した書面(パソコンなどでの作成も有効)に署名押印の上、押印と同じ印章で封印し、封紙に公証人および2人以上の証人が署名・捺印等をし作成する遺言です。
遺言内容は公証人に知られずに作成できるので「亡くなるまでは誰にも内容を知られたくない」という場合に利用されますが、あまりに特殊なため利用者は限られています。
また、公証役場で手続きを行いますが、遺言書を公証役場で保管されないので、自宅などで保管します。
遺言者が亡くなられた後、遺言書を発見した人が家庭裁判所に届け出て、検認の手続きを受ける必要があります。

遺言書は勝手に開封してはいけません!

もし自筆証書遺言を発見した人が、1人で勝手に開封してしまったら、他の相続人は開封された遺言書を見て、開けた人が書き替えたんじゃないかと疑うかもしれません。
この様な事が起こらないように、家庭裁判所で相続人立ち合いのもと、遺言の内容を明確にして偽造を防止し、相続人に対して遺言の内容を知らせる検認作業が必要となります。
遺言書を勝手に開封することは法律で禁止されており、違反すると罰金が科せられる可能性があるため、取り扱いには十分注意が必要です。
検認手続きを行い遺言書に検認済証明書が付けられることで、金融機関などでの名義変更の手続きができるようになります
もし、封印がされておらず遺言の内容を読んでしまった場合でも、家庭裁判所で検認の手続きを行い、検認済証明書を発行してもらう必要があります。
また「自筆証書遺言書保管制度」を利用した自筆証書遺言は、法務局で遺言書情報証明書を発行できますので、家庭裁判所での検認を行う必要はありません

自筆証書遺言書補完制度

令和2年7月10日より新たに導入された自筆証書遺言書補完制度は、自筆証書遺言のメリットは損なわず、問題点を解消するための方策として創設されました。
これまでの自筆証書遺言は自宅で保管されているケースが多く、遺言書の紛失や相続人による遺言書の廃棄・改ざんのおそれがあることが問題となっていました。
さらに、家庭裁判所の検認には申し立ててから1~2カ月程かかってしまい、相続の手続きが早期に始められないなどの問題もありました。
自筆証書遺言書補完制度では、法務局に遺言書の内容が保存されておりますので廃棄・改ざんのおそれがなく、名義変更時に必要な証明書も法務局ですぐに受け取ることができますのでとても便利です。
また、公正証書遺言と比較しても、2名以上の承認が必要ないなど手間や費用が少なく抑えられます。
しかしながら、公正証書遺言とは違い、遺言書の内容が法律に問題ないかの確認を法務局では行いませんので、有効な遺言書であるかを司法書士など専門家に相談することを、おすすめいたします。

自筆証書遺言書補完制度と公正証書遺言の違いを分かりやすくまとめると下記になります。

遺言保管制度 公正証書遺言
遺言書が無効になる可能性
法務局は形式を添削することはありません。作成については司法書士や弁護士等に相談したほうが無難です
×
公証人の添削がありますので形式に違反することはありません。
遺言書で相続人間にトラブルが起こるリスク
遺留分減殺請求を防ぐ効果はありません。又、書き方によっては解釈に相違がある可能性があります。作成については司法書士や弁護士等に相談したほうが無難です。
○(遺言書保管制度よりは低い)
遺留分減殺請求を防ぐ効果はありません。但し、公証人の指導もあり。出来るだけ紛争がないようなアドバイスがあります。
死亡後の家庭裁判所による検認 不要 不要
費用 3,900円 公証人手数料は財産価格によります。
出張(遺言者が動けない場合) ×
出頭が必須です。出張はありません。

費用は掛かりますが公証人に出張してもらえます。
死亡による通知
遺言書作成時に死亡時の通知の申出をおこなうことで、死亡した時に指定者へ通知がなされます。
×
相続人が遺言書の存在を知らなければ、遺言の内容に沿うことなく相続手続きが進められてしまう可能性があります。
作成場所 住所地・本籍地、不動産所在地の特定の法務局。 全国どこの公証人役場でもよい。
証人 不要
遺言の保管ですので証人は不要です。
必要
相続人やその関係者以外の証人2名の立会いが必要になります。

遺言執行手続きについて

遺言書作成時には遺言執行者を選任します。
遺言の執行は原則として相続人全員で行います。
しかし、遺言内容によっては協力しない相続人もいるため、その場合、家庭裁判所に遺言執行者の選任申立てを行い、遺言執行者が遺言の執行を行うことになります。
そのため、遺言の執行をスムーズにおこなえるよう、遺言書の作成時に、遺言書の中で遺言執行者を選任しておきます。
遺言執行者は、遺言執行のため、相続登記や、金融機関での預金解約手続き、相続財産の分配等、遺言執行のために必要な一切の行為ができます。
当事務所は遺言執行をおこないます。
遺言執行者に選任されて方は上記のような遺言執行のために様々な手続きを行わなければなりません。
その手続きは多岐にわたり大変複雑な場合もあります。
当事務所では遺言執行者から依頼を受け、代わりに遺言執行業務を行わせていただきます。
又、遺言書作成時に遺言執行者として引き受けさせていただくことも可能です。

相続人ですべて続きを行うことは大変手間と時間がかかります。
ぜひ専門家へお任せください。

遺言書の作成などにかかる費用

基本的な費用は、下記の表の通りとなっております。

内容 報酬額
遺言相談及び遺言原案作成 30,000円~
公正証書遺言の作成代理 30,000円~
自筆遺言書の指導、助言 30,000円~
遺言書検認申立 30,000円~
遺言執行者選任申立 30,000円~

遺言相談及び遺言原案作成について

依頼者Aは、自分が亡くなった時に自宅の土地建物と預貯金を妻Bに、長男Cには妻Bの老後の面倒を看ることを条件としてマンションと預貯金を、二男Dには預貯金を相続させることとし、公正証書にて遺言書を作成することになりました。
依頼者Aと遺言書案を打合せ、その後公証人とも遺言書案の協議をし、遺言書原案を作成しました。
印鑑証明書・戸籍等の必要書類は、依頼者Aに揃えていただきました。
依頼者Aや公証人と日時の調整をし、公証役場に遺言者であるAが出向き、証人2名が立会い公正証書遺言を作成しました。

相続登記について

報酬内訳---遺言相談及び遺言原案作成
公正証書作成代理の報酬 3万円
その他に、公証人の手数料が別途必要となります。
手数料は財産の金額によって変わりますので、お問い合わせください。

遺言書に関するよくある質問

遺言書が出てきた…どうすればいいの?
自筆で作成された遺言書は、家庭裁判所に提出して遺言書の検認を受けなければなりません。また、封印のしてある遺言書は家庭裁判所で相続人や代理人の立会いがなければ開封することができません。遺言書を保管している人が家庭裁判所に提出しなかったり、家庭裁判所以外で勝手に開封したりすると、5万円以下の過料に処せられます。
遺言書の検認→費用
遺言書が公正証書で作成されているときは、遺言書の検認の必要はありません。
公正証書遺言は、遺言者の遺言内容を公証人が作成する遺言書で、証拠力が高く、確実な遺言方法といえます。又、原本を公証人が保管するので、紛失・改変のおそれがありません。遺言をお考えの方には、公正証書遺言をお勧めいたします。
公正証書遺言の作成代理→費用
亡くなった夫が長男に全財産を相続させる遺言書を残していた。
妻の私は何も相続できないの?
すべての財産を、妻や子供等の法定相続人以外の第三者に全部遺贈するというような遺言も有効です。自分で築いた財産ですので、遺言によりどのように処分するかは自由なのです。しかし、妻や子供としては、すべての遺産が見も知らずの他人のものになってしまってはたまったものではありません。このような弊害を防ぐため、一定の相続人には、最低限保障された取り分があります。これを遺留分といいます。遺留分を有する者は、法定相続人のうち兄弟姉妹を除いたもの、すなわち、配偶者、子、直系尊属です。総体的遺留分は、直系尊属のみが相続人である場合は相続財産の3分の1、その他の場合は2分の1です。個別的遺留分は、総体的遺留分を法定相続分に従って各相続人に配分して算定されます。
遺留分を侵害された相続人は、贈与や遺贈を受けた者に対し、1年以内に遺留分の請求をして取り戻します。遺留分の主張に応じてくれないときは、家庭裁判所に遺留分減殺請求の調停申立を行います。この遺留分減殺請求権は1年以内に行使しないと短期消滅時効により請求できなくなります。
遺留分権利者と遺留分の割合
配偶者と子供がいる場合 総体的遺留分1/2
個別的遺留分配偶者1/4、子供1/4
配偶者は無く子供がいる場合 総体的遺留分1/2
子供1/2
配偶者はいるが子供がいない場合 総体的遺留分1/2
配偶者1/2
配偶者も子供もいないが父母が健在の場合 総体的遺留分1/3
父母1/3
このケースの場合、法定相続人は妻と子供の長男と長女であり、個別的遺留分は妻1/4、長女1/8です。まず、遺留分減殺請求権の消滅時効を内容証明で中断し、家庭裁判所に遺留分減殺請求の調停申立をし、その結果、妻は遺産の時価の1/4に相当するものとして土地建物を、長女は遺産の時価の1/8に相当するものとして現金を取得することが出来ました。
遺留分減殺請求の調停申立→費用
遺言書を書こうと思っているが…どうすればいいの?
親がせっかく苦労して残した財産を、遺産の分割で子供たちが仲たがいになってしまったのでは、親にとって悲しいことです。 このような遺産争いを未然に防ぐためにも、遺言をしておくことは大事なのてす。
特に遺言しておくべきと考えられるのは下記のようなケースです。
  • 子供がいないので、妻にすべての財産を残したい。
  • 先妻との間に子がいて再婚し後妻との間に子がいる場合。
  • 亡き長男の嫁にも分けてやりたい。
  • 内縁の妻に財産を与えたい。
  • 孫にも財産の一部をあげたい。
  • 家業を継ぐ子に農業や事業用の財産を残したい。
  • 相続人がなく、世話になった人に遺贈したい。
遺言には自筆証書遺言、公正証書遺言があります。
自筆証書遺言
自筆証書遺言は、遺言者が、(1)全文を自筆で書く、(2)日付を書く、(3)署名をする、(4)印を押すの方式が守られていなければなりません。これに違背した遺言書は無効になります。費用がかからず簡単に作成できるのが特徴ですが、方式不備で無効になったり、偽造・変造や破棄されるおそれがある等のデメリットがあります。
必ず自分で手書きしなければなりません。他人が書いたものやパソコン等によって作成されたものは、自筆証書遺言とはいえません。
遺言書は必ずしも封筒に入れる必要はありませんが、通常は封筒に入れておくことが多いでしょう。なお、封印してある遺言書は、検認手続きにより家庭裁判所で開封しなければならず、勝手に開封することはできません。
公正証書遺言
公正証書遺言は、公証人に作ってもらう遺言です。公証人が作成するため方式不備で無効になったり、原本が公証人役場に保管されるため偽造・変造のおそれがないというメリットがあります。また、家庭裁判所の検認が必要でないため、遺言者の死亡後直ちに遺言の内容を実現することができます。
公正証書による遺言をするには、
  1. 二人以上の証人の立会いのもとに、
  2. 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授する。
  3. それを公証人が筆記し、遺言者と証人に読み聞かせる。
  4. 遺言者と証人が筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、押印する。
  5. 公証人が、上記の方式に従ったものであることを付記して、署名し、押印する。
司法書士等に依頼すると遺言書の文案を作成してもらうことができ、また、証人になってもらう事も出来ます。司法書士等に遺言執行者になってもらうこともできます。
尚、遺言者が公証役場に行けない場合は、公証人に自宅や病院へきてもらい遺言書を作成してもらうこともできます。

遺言書に関する解決事例

  • 長男からの相談でした。父が亡くなったので相続の手続きをして欲しいということでした。相続財産は母が居住している土地、建物、他にアパートが1棟、父が営んでいた店舗(株式会社として経営)、銀行の普通預金、定期預金が4,500万円がありました。相続人は母と長男、長女の3人です。この件は3年前に被相続人であるお父さんから遺言の相談があり、母が自宅の土地、建物、銀行の預貯金2500万円を、長男が会社の株全部と、今後母の老後の面倒を看るため店舗とアパート1棟、預貯金1,500万円を、遠方に嫁いでいる長女には預貯金500万円をそれぞれ相続させる旨の公正証書による遺言書を作成し、司法書士が遺言執行者に指定されていました。
    今回の事案では、遺言執行者に指定されており、遺言書作成の段階で大部分の相続財産を把握していましたので、預金等に若干変動はありましたが短期間で財産目録を作成することが出来ました。被相続人の遺言の意思に沿うべく個別の執行を厳格に行い、スムーズに任務を完了することが出来ました。
    公正証書による遺言の場合、原本が公証人役場に保管されるため偽造・変造のおそれがなく、公証人が作成するため方式不備で無効になったすることがありません、原本が公証人役場に保管されるため偽造・変造のおそれもありません。家庭裁判所の検認も必要がないため、遺言者の死亡後直ちに遺言の内容を実現することができます。また、遺言執行者を指定することにより、遠方の相続人や複雑な相続内容であっても、被相続人の遺言の意思を確実に実現できます。